静電容量式レベルセンサはレベル検出以外の様々な箇所で使用されています。旧来の静電容量式センサは液体を検出するだけでしたが、当社の静電容量式センサは様々なアプリケーションに対応しています。ここでは、静電容量式レベルセンサの原理やその応用例を紹介いたします。また、下記のアプリケーションの他に「こんな状況にも対応できるレベルスイッチが欲しい」という声にもお応えしています。
静電容量式レベルセンサの原理
応用例…観葉植物を防犯用センサに!
応用例…タレの有無の検知
応用例…プレス供粉機構内の粉面計
静電容量式レベルセンサの原理
電極(センサ部)には、検出電極と接地電極の2つの極が有り、2つの電極間の静電容量(キャパシタンス)とコンダクタンス(導電度)を検出しています。電極部に接続された電子回路(アンプ部)によって、物質の有無や状態を検出します。
静電容量式の利点
- 液体から粉体、絶縁体から導電体まであらゆる物質の検出が可能。
- 温度、圧力、粉塵等の影響を受けない。
- 電極の形状や材質の設計自由度がひろく、様々な条件に合わせた選定が可能。
- 電極に可動部がなく耐久性に優れる。
応用例…観葉植物を防犯用センサに!
- 静電容量技術を応用したセンサーについて教えてください。
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普段工場のタンク等でご使用いただいているレベル計は、ステンレスで作られたものが普通ですが、家庭用の防犯のために、観葉植物をセンサーにしてみました。
従来のレベルセンサーは、ステンレスで製作された電極棒の間の静電容量の増加分を検出信号に変換しています。ここでは、レベルセンサーの電極棒の代りに、観葉植物全体を使用するのです。
侵入者が観葉植物に近づく、又は、触れれば、静電容量が増加する原理により、観葉植物に接続したアンプから検出信号を出力し、警報ランプが点灯します。例え、室内に明かりが無くても静電容量の変化により、侵入者は観葉植物に近づくだけで警報が知らされることになるのです。
センサーと言うと、固定的な見方をしがちではありますが、そもそも電気を流すものであれば何でも作ることができるのです。植物の場合、根から葉の先までほとんどが水でできているので電気が流れます。
この原理を応用して防犯用のセンサーを製作しました。
応用例…タレの有無の検知
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現在、電子カメラを使用して物質の検知をしていますが、環境が悪くてうまくいきません。
静電容量技術を利用しての検知の応用例を教えてください。 -
納豆の生産ラインでは、コンベアを流れていく容器にタレを挿入していきます。
下記の生産ラインで「タレ」が容器に入らない場合がまれにあります。当初、この会社では電子カメラを使用して、付属品の有無の検知を行なっていましたが、「タレと納豆が同じ色であったため、」うまくいかなかったとの事です。そこで、弊社の超高感度静電容量式レベルセンサーを使用し、この問題を解決しました。
このタレが適格に容器に入っているかを検知するために「静電容量」の感度を超高感度にすることにより問題を解決したのです。
応用例…プレス供粉機構内の粉面計
- 密閉された容器内で、しかも粉塵が大きいなどの条件下での粉面計測は可能でしょうか?
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図1のようなテープル型の密閉容器に粉を投入する機械装置において、静電容量式レベル計で粉面管理を行なうことにより、連続運転を可能にした納入例があります。
相談頂いた担当者様は当初、光学式の距離計でレベル計測をご検討されていましたが、粉塵の影響が大きく断念されました。当社の静電容量レベル計では、棒状電極以外の図2のような特殊なフラット電極を別途製作し、粉に非接触で静電容量変化を計測する方法で本問題を解決しました。
又、センサ形状も攪拌用の回転はねの通過による影響を最小限に押さえる為の工夫を凝らしています。