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静電容量式レベルスイッチの検出原理について

「静電容量式レベルスイッチは、どのような仕組みで動いているのですか?」 これは、YAMADENに多く寄せられる質問のひとつです。こちらのページでは、こうしたご質問にお応えすべく、静電容量式レベルスイッチの動作原理を詳しくご説明いたします。弊社では、この原理に基づく静電容量式レベルスイッチのご相談にも対応しています。

 

静電容量式レベルスイッチの概要

静電容量式レベルスイッチは、タンクやホッパー等の容器に取付穴を空け、電極部を挿入して使用します。
測定物が電極に触れることにより、測定物の有無を検出してリレー出力します。電極の取付方向に水平、垂直、斜め等の限定はありません。

静電容量式レベルスイッチ 図
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スイッチの測定原理について

スイッチの測定原理について 図1

空の時の電気的な状態と、満の時の電気的な状態の違いを捉え、レベル検知を行います。空の時の検出電極と接地電極の電気的な状態は、抵抗値(Ro)が無限大で、静電容量(Co)は取付状態で決まる固定の静電容量値になります。


容器に測定物が入り電極付近が浸ると(満状態になると)、検出電極と接地電極間の抵抗値および静電容量値はRsまたはCsに変化します。この変化を捉えてレベル検知を行います。

スイッチの測定原理について 図2

この電気的変化は測定物によって異なります。

  1. 測定物が電気を通さない(絶縁性)場合は、抵抗はほぼ(∞)(Ω)で変化はほとんどありません。変化があるのは静電容量のみです。この静電容量の変化を捉えてレベル検知を行います。
  2. 測定物が電気を通す導電性の場合は、抵抗値が小さくなります。この抵抗の変化をとらえてレベル検知を行います。
  3. 測定物の中には、絶縁性でも導電性でもない、中間的な半導電性物質もあります。半導電性の物質は、抵抗の変化と静電容量の変化の両方が変化します。この変化をとらえてレベル検知します。
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静電容量の原理について

金属性の板を平行にし電圧を加えると、静電容量を形成します。

静電容量Cの値の式の図

静電容量Cの値は、左図の式で算出できます。
Cは静電容量値、ε0は真空の誘電率で8.854×10-12、εsは絶縁体の誘電率です(εはイプシロンと読みます)。


金属板の間の静電容量値は、金属板の面積Sと金属板同士の距離L、および金属板の間の絶縁体の誘電率εsにより決定されます。絶縁体は固有の特性である比誘電率というものがあり、例えば空気は約1.0で、一般的な絶縁性の粉体の場合2.0〜5.0程度です。SとLが同じ場合は、静電容量Cは絶縁体の誘電率により変化します。つまり、静電容量式レベルスイッチは静電容量値Cの変化を捉えることで、物質の検知・計測を行っているのです。レベルスイッチの接地電極と検出電極それぞれの金属板と同じ働きをします。金属板の間の絶縁体がレベル検知を行う測定物質になります。

今、仮に空気の場合(空の状態)の静電容量が2PFとした場合に、誘電率が3.0の粉体が電極間に入った場合、静電容量は6PFになります。よって、静電容量の差は4PFになります。

静電容量式レベルスイッチはこの原理(静電容量の変化を感知)を応用しています。

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静電容量の数学的説明について

次に静電容量式レベルスイッチ測定原理を数式的に説明します。
今、仮に直径100mmの金属容器に(Φ)10×40mmの検出電極を挿入した場合を考えてみます。

容器は、上記2の図の接地部(アース、接地電極)になります。

1.容器の中が空の場合、静電容量は次式で求めることができます。

容器が空の場合の静電容量の式

2.次に絶縁性の液を容器に入れると静電容量は次式で求めることができます。

絶縁性の液が入った場合の静電容量の式

つまり、容器が空の場合の静電容量値と、液が入った場合の静電容量値との差が変化容量となり、レベル検出をします。

ΔC =C1−C0 =1.93−0.96 =0.97PF になります。

上記の変化容量(ΔC=0.97PF)により、液体の検知を行うことができます。

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静電容量式の付加機能について

弊社の静電容量式レベルスイッチは上記の基本原理に加えて、多様な測定物への計測や、さまざまな状況に対応できる応用技術を有しています。
付着補正機能(測定物が電極に付着した場合に付着をキャンセルする機能)や導電性、半導電性などの各測定物に対応したアンプ機能など、お客様の測定物や測定条件に合わせてご提案いたします。また、測定物の強度や性質などに合わせた豊富な電極のラインアップもご用意しております。

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